バレエの種類

バレエに関係する舞踊には、大きく分けて4つの種類があります。それぞれの共通点や相違点、成り立ちを書き出していきます。

 

※種類に明確な線引きがあるわけではなく、歴史認識も人によって異なる部分があるため、ここに書いてあることが100%正確な情報というわけではありません。バレエを知るための参考にしてください。


クラシックバレエ

バレエと聞いて皆さんが思い浮かべるもののほとんどがこのクラシックバレエでしょう。

クラシック・チュチュを纏い、トゥシューズで踊る姿に憧れてバレエを始めた方も多いのではないでしょうか。

 

クラシックバレエはフランスから伝わったバレエがロシアで独自に発展したものです。

その名の通り「古典的なバレエ」であり、形式に重きを置き、伝統的で厳格に定められた技法を踏襲して振付け、踊ることが特徴です。

基本的に、「この曲はこの衣装・振付で踊る」というような決まりがあります。

 

19世紀後半に飛躍的に発展し、この時期に上演された「眠れる森の美女」、「くるみ割り人形」、「白鳥の湖」は特に大成功をおさめ、3大バレエと呼ばれるようになります。

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モダンバレエ

古典的・伝統的なクラシックバレエに対し、自由で個性的な様式を持つのがモダンバレエです。

モダンバレエは、表現の制限や制約があるクラシックバレエに反発するような形で、20世紀の初頭にロシアで生まれました。

 

クラシックバレエからの派生なため、基礎はクラシックバレエと共通する部分もありますが、新しいステップや民族舞踊を採り入れたりと、独創性を重視しており、表現の可能性をより追求しています。

 

振付だけではなく音楽や衣裳まで個性豊かなものが多く、表現の幅がとても広いです。

 

代表例として「牧神の午後」や「春の祭典」があります。

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モダンダンス

 

ルネサンス期に創造されたバレエは、次第に規範化された形式や技術本位のものとなっていったため、踊り手を精神的・肉体的に因習から解放し、自然な身体芸術としての舞踊を求める動きが起きました。

その中で生まれた新しい舞踊形態がモダンダンスです。

 

アメリカのイサドラ・ダンカンがその祖の一人といえるでしょう。

彼女はクラシックバレエの制限だらけのレッスンを拷問のように感じ、より自由な踊りを求め、バレエの衣裳を脱ぎ捨て、裸足で踊りました。その自由で情熱的な踊りは、ドイツをはじめヨーロッパの舞踊に広く影響を及ぼしました。

 

モダンバレエと共通する部分が多いですが、クラシックバレエを基礎とするモダンバレエに対し、モダンダンスは正統的なバレエを否定しています。

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コンテンポラリーダンス

現代的なさま、当世風なさまを指す"contemporary"という言葉の通り、現在も進化を続けているのがこのコンテンポラリーダンスです。

 

発祥は20世紀後半のフランス。クラシックバレエやモダンダンスなど、様々な舞踊の要素を取り入れて出来たダンスであり、決まりごとが全くありません。

 

既成のダンスに属さないものを指すため、定義づけできないことがコンテンポラリーダンスの本質であるかのように言われることもあります。

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